子どもに勉強してほしいときに「言ってはいけない」言葉として、前回は「勉強しなさい!」を挙げました。
「勉強しなさい!」と強制することで、勉強=強制されるイヤなこと、という悪いイメージがついてしまい、ますます勉強が嫌いになってしまうからです。
詳しくはこちら。
>>言ってませんか?勉強に逆効果のNGワード
今回のNGワードは「やればできる」です。
言ってはいけない「やればできる」
一見、何が問題?と思ってしまうこのNGワード。
今は出来てないかもしれないけど、あなたには本当はもっと出来る力がある!
私はそう信じている!
というプラスのメッセージ性があるため、「やればできる」をお子さんに言っている方も多いかもしれません。
でも、一見ポジティブなこの言葉、やる気を出させるにはNGワードなんです。
「本当はやればできる」のNGポイントは2点。
NGポイント1:「今はダメ」というネガティブメッセージ
「やればできる」という言葉は、「あなたは本当はやればできる人だから、もっと頑張って出来るようになって!」ということです。
つまり、「やればできる」けど「今はやれていない」。
「今はやっているうちに入らない」
「今は出来ていない」
「今できないのは頑張りが足りないせい」
「今のままではダメ」
ということです。
「やればできる」は、実はほめ言葉ではありません。
信頼から出る言葉かもしれませんが、現状にダメ出ししているんです。
励ましのつもりでも、自分では頑張っているつもりのときに「やればできるんだから、がんばって!」と言われたら・・・
「頑張っているのに、この程度ではダメってこと?」
「頑張ってもまったく認めてもらえない」
と、イヤになってしまいかねません。
NGポイント2:「やらないままなら、できる可能性が残される」!?
上記では、今の頑張りにダメ出しをする点でNGでした。
では、全然頑張っていない相手(本人もやってない自覚あり)に対してなら、期待の言葉かけとして作用するでしょうか。
残念ながら必ずしもそうではありません。
「本当はやればできる」
=「やってないから今はできない」
=「できないのは当然」
ということになります。
頑張っていない自覚が本人にもある場合、「否定された!」とは感じませんが、逆に「やればできるから、今できないのは当たり前、仕方ないんだ」となります。
今、頑張ることができていない子が、「本当はやればできる」と期待されたときにどうするか。
「やればできる」んだから「よし頑張る!」となれば良いのですが、いままでやってこなかったのですから、心から本当に自信が持てるとは限りません。
「実際にはやっても出来ない」
「期待に沿えない」状態になるのはつらいこと。
でも、それを必ず避けることができる確実な方法があります。
「やれば出来た」可能性だけを残す、すなわち「やらない」選択をすることです。
やらなければ、いつまでも「本当はやれば出来るんだけどね」という幻想の中にいることができます。
本人にやる気があるときはOK
本人が「これから頑張ろう」とやる気を出しているときに「あなたなら出来るよ!」と励ますのはOKです。
既に、本人の中に
「今はまだ足りない」自覚があり、
「やる気」が既に芽生えていれば、
あなたの力を信頼しているよという応援メッセージとして、プラスに作用することと思います。
しかし、本人は十分頑張っているつもりだったり、そもそもやる気がない場合には逆効果。
「やればできる」と言われても、やる気を削がれたり、やって失敗することが怖くなってしまったりします。
やった過程を具体的にほめる
「あなたは本当はやればできるのに」という言葉かけは、
実際にそう思っていたとしても、プラスのメッセージとして伝わるとは限りません。
まだやってもいない頑張りに対して期待する言葉かけをするよりは、すでに出来ている頑張りを認める言葉かけの方が有効です。
それも結果ではなく、過程に対してが確実。
もし残念な結果であった場合でも、過程に対してであればプラスの声かけができます。
また、「頑張ったね」と言うだけよりも、具体的であった方がより「ちゃんと見てくれている」「認められている」と感じます。
「計算ドリルを毎日頑張って解いてるよね」
とか
「漢字の練習ノート、もう3冊目だね。続いてるね!」
とか。
勉強のほめポイントがないときは?
「いやいや、ほめたくても勉強のほめポイントがありません!」という場合は?
勉強のほめポイントをつくるためには、勉強に関したことをなんとかやってもらうしかありませんが・・・(^^;)
全然勉強をしない子の場合は、やはり親の働きかけは大事と思います。
最近の我が家で効果ありと感じているのが「一緒に勉強しよう」です。
この「一緒に勉強」は「子どもの勉強を見てあげる」でも良いですが、「親も自分の勉強をする」もおすすめです。←うちはこれ。
お子さんと一緒に勉強する時間を持って、勉強できたことをしっかり認めてあげてはいかがでしょうか。
「一緒に勉強」について、詳しくは次の機会に。